これまでの歩み

About us

こんにちは。運営者のSteveです。このページでは秋葉原ハッカースペースのいきさつを説明しています。

東京ハッカースペース

東京ハッカースペースをご存知でしょうか? 私がハッカースペースを知るきっかけとなり、また、初めて訪れたハッカースペースが東京ハッカースペースでした。

場所は池袋で、駅でいうと中板橋とときわ橋の中間に位置しています。オープンハウスに参加した時の印象は「すごくおもしろいところだなぁ。ここなら自分の居場所があるかも。」でした。

会員になることも考えましたが、自宅から遠かったのでそれっきり、そのままになってしまっていました。

ニューヨークのハッカースペース

その後しばらくして、「アメリカのハッカースペースってどんなところなんだろう?」という興味から、2017年3月にニューヨークに行った時にNYC Resistorというハッカースペースを訪れました。

その時の印象は「なんだここは! こういうの大好き!」でした。入り口前の電装品から内部の机、天井の自作の照明やら、なんだかよくわからない工作物など、1歩歩けば心踊るものにぶち当たる、そんな空間だったのです。

機材も3Dプリンターを始め、レーザーカッター、そしてとても巨大な木工用マシンなども設置してあり、ちょっとした工場のようでした。

ニューヨークではHack Manhattanにも行きました。このニューヨークでのハッカースペースめぐりがきっかけとなり、海外旅行に行くたびに、現地のハッカースペースに行くようになったのです。

アムステルダムのハッカースペース

ニューヨークを訪れた2ヶ月後の2017年5月、オランダのアムステルダム郊外にあるハッカースペース、Technologia Incognitaを訪れました。

こちらも雰囲気がNYC Resistorにとても似ていました。日本から来たというと気さくに迎えていただき、話がはずみました。この時私はAmazon Echo Dotを持参してAlexa SkillからESP32を制御する、というのをやっており、仕組みをオランダの方に説明したり、逆に色々教えていただいたりして楽しい時間を過ごしました。

19時ぐらいになるとさすがお国柄でしょうか、チーズにアルコールでパーティーが始まりました。

「こんな楽しい自由なスペースが自分の家のそばにあったらいいのになぁ。」「自分もハッカースペースを作りたい!」そんな気持ちが高まっていきました。

IoTラボ

とはいっても、いきなり物件を借りてハッカースペースを始めてしまうのはリスクが大きすぎると思いました。実はハッカースペースの作り方(How to Create a Hackerspace)という文書が公開されており、物件を借りるのは10ステップあるうちの5番目のステップになっていました。

そんな中、メイカーラボ名古屋Ghz2000さんが主催された基板作成ハンズオンに参加したことを思い出し、私もまずはハンズオンを開催して収益があがるかやってみよう、と思い立ったのでした。

これまで見てきたハッカースペースでは、運営費はコアメンバーの寄付と会員の月会費からなっていることが多く、ハンズオンの収益をあてにしているところはなかったのですが、私がハッカースペースを作ったあとにやりたいことはハンズオンの開催だったので、先にこれをやってしまうことにしたのです。これがIoTラボが始まったきっかけです。収益からハッカースペース運営費を捻出するのはハッカースペースの作り方によると7番目のステップでしたが、「逆から攻めよう!」という発想でした。

場所は最初は渋谷のレンタルスペースを、その後大田区の施設を使わせていただき、ESP32をAWS IoTに接続してIoTを体感していただく内容で、お陰様で多くのお客様にハンズオンをご提供することができました。

ハッカースペース立ち上げ準備

1年後、ハンズオンによる収益化にめどがついたため、再度ニューヨークのNYC Resistorを訪れ、主催者にハッカースペース運営について色々ヒアリングをさせていただき、写真もたくさん撮らせていただきました。

同時期にはハッカースペース作りの公開ミーティングイベントを何度も開催しました。初回のミーティングを、家電ベンチャーsirocaの技術者の方でIoTラボのお客さまでもある佐藤さまを交えて大森のデニーズで行ったことは今でも忘れることができません。

最終的に

・物件は品川区大井町のビル

・入居は2018/5/19

・立ち上げ費用はSteve&Albertで負担

・立ち上げ時クラウドファンディングは使わない

を決定しました。自分たちだけがリスクを負う形で自由にやりたかったのです。

shs-opening-party
ハッカースペース

品川ハッカースペース

そして遂に2018年6月10日、JR大井町駅前に品川ハッカースペースをオープンしました。

オープン記念パーティーでは、家庭用のコンロの3倍の火力がある鋳物コンロと45cmの中華鍋で作ったパラパラ炒飯が好評でした。鋳物コンロの火力が強すぎて換気扇がぶっ壊れて室内がもくもくしてしまったのは今ではいい思い出となっています。

それから2年半、色々なイベントを開催し、ハンズオンも行い、備品も増えていきました。会員さんも増えたり減ったり、ベンチャーの社長さんが平日寝泊まりしたり、大手食品メーカーさんから「大手電機メーカーにはすべて断られて頼む先がない」とのことで改造電子レンジの制作を請け負ったり、AWSさん・NEXCOMさんと共同で安川電機の産業用ロボットをROSとAWS RoboMakerで動かしてロボット展に展示したり、AliExpressで買って中国から木箱で届いた100Wレーザーカッターをユニック車から歩道に下ろしてバールで開梱して部屋に運び入れたりと、色々なことがありました。

ちなみにTwitterのハッシュタグ #ハッカースペース作り ではハッカースペースができるまでを、#品川ハッカースペース のハッシュタグではハッカースペースの活動を追うことができます。

品川ハッカースペースができてからも定期的に海外のハッカースペースを訪れ、刺激をもらっています。世界で始めてできたベルリンのハッカースペースや、世界各地にハッカースペースができるきっかけを作ったウィーンのハッカースペースなどを2020年はじめに訪問しました。詳しくは以下をごらんください。

ベルリンのハッカースペースc-baseはスペースステーションだった

ウィーンのMetalabはお手本のようなハッカースペースだった

ワルシャワのハッカースペースはぶっ飛んでた

秋葉原ハッカースペース

オープンから2年半という時間の中で、Webサイトもなかった品川ハッカースペースをコミュニティーとしてうまく成長させられたかというと自分としては胸をはれる自信はないです。しかし、色々な方に支えられながら、気楽にふらっと立ち寄って食事したり電子工作したり、そういうゆるい空間として、知る人ぞ知るのような感じで存在させてもらっていたのかなと感じています。

そんな中、パーツショップが多く交通の便もよい秋葉原に移転をすることを考え始めましたが、2020年はじめからCOVID-19が猛威を振るう世の中になってしまい、物件探しも中断せざるを得ない状況になってしまいました。

それでも世の中は常に変化しますし、そういう時こそ何か新しいことをやるべきだとの考えから、2021年2月に品川ハッカースペースを秋葉原に移転して秋葉原ハッカースペースとすることにしました。

今後

コロナの状況もあり今後どうなるかは全く不透明ですが、そういうものだと思って、対策をした上で楽しいことができればいいなと思っています。

具体的には、対策はした上でオフラインのイベントは継続していますし、個人が動画で情報発信することがこれだけ一般的な世の中になったので映像制作機材をひと通り揃えてみたりしました。また日本から世界に英語で情報発信しようと思ってインターホンをハックした内容をHacksterで公開したりもはじめました。

Panasonic’s Video Intercom Hacked to Be Alexa Enabled

そして秋葉原ハッカースペースの本Webサイト2021/5/25にオープンしました。

 

このような感じで今後も運営していこうと思いますので、ひきつづきどうぞよろしくお願い申し上げます。